時効援用サポートサービスの対応事例

~身に覚えのない督促状に悩まされたら

こんにちは。
私は、一般の方々に向けて相談や悩みごとを法律で解決する方法などを紹介する仕事をしています。法律は少し堅苦しくてとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、法律のおかげで困ったことを解決できる場面はたくさんあります。

今回紹介するのは、身に覚えのないところから請求書が届いた事例です。振り込め詐欺(オレオレ詐欺)・架空請求など、悪質な業者もあるので、知らない会社から請求書が届いたら怖くてどう動けばよいかわからないケースも多いと思います。

今回の相談者さんも、最初は架空請求を疑って督促状を破棄されていたんですが、頻繁に請求書が届くので怖くなって法律の専門家に相談をしようと決意されたとのことです。

相談者さんの場合、届いていた督促状は詐欺のものではなくて債権回収業者から届いていたものでした。債権回収業者とは、金融機関やクレジット会社に変わって、借金の回収を専門に行っている会社のことです。つまり、相談者さんが返さなければならない借金だったということです。

幸い、今回の事例では借金の時効期間が経過していたため時効援用の制度を利用することができました。「時効が成立しているので借金を支払いません」という意思表示をすることにより、借金が帳消しになる制度です。

見に覚えのない督促状でも、過去のご自身の借金が残っている可能性があります。自己判断せずまずは法律の専門家に相談することをおすすめします。

今さら返済は難しいという方でも時効援用で借金を帳消しにできるかもしれません。

\借金の時効に関してはこちらからご相談できます/

相談者さんは法律の専門家を探していたところ行政書士事務所を知り、メールで「身に覚えのない請求が届いて困っている」という旨を相談されました。そのやり取りの詳細を今回はお伝えします。

時効援用の相談電話(相談者さんのプロフィール)

相談者のプロフィールから紹介します。

今回の方は、40代女性です。相談者さんは現在、一人暮らし。会社員として一般企業に事務職として勤められています。生活に特に困窮されているわけではありませんが、数年前からニッテレ債権などの会社から電話やハガキが届くようになり恐怖心を感じられていました。身に覚えのない会社名だったので、詐欺だと思われていたのです。相談者さん自身、滞納状態のままになっている借金があることも忘れられていました。

相談者さんのプロフィール
年齢 40代半ば
性別 女性
職業

会社員(事務職)

家族構成

単身

相談内容

7年前のカードショッピングの分割払い残金約24万円、約20年前のアプラスでの30万円弱のカードローン。これらの請求は、サービサー(債権回収会社)に債権譲渡され、ニッテレ債権回収株式会社、アイ・アール債権回収株式会社からそれぞれ請求書が届く状態になっていた。

相談者の要望

頻繁にハガキや電話が来る状況からなんとか解放されたい。

相談の
きっかけ

あまりにも電話が頻繁にかかってくることと、一度封筒を開いた時に「お金を支払ってください」という文面が書かれていたので、「何かあったら怖い。なんとかこの状況から解放されたい」と思った。

相談者さんからの相談内容(メール)

今回の相談者さんからはまずメールが届きました。

後から伺った話によると、相談者さんは頻繁に届くハガキや電話の着信が怖いので何とか法律の専門家に相談したいと思い、「身に覚えのない請求 ニッテレ債権回収」とインターネットで検索をされたそうです。結果的に、今回の問題を行政書士事務所に相談されたことによって、非常にスムーズに問題が解決することができました

相談のメールは以下の通りです。

恐れ入ります。
身に覚えのない請求について相談したいのですが数年前からニッテレ債権回収という会社から電話が頻繁にかかってきて、封筒も届いています。あと、アイ・アール債権回収というところからも月に1度ハガキが届きます。

このご時世、詐欺事件なども耳にするので、身に覚えのない会社だからすごく怖くて、電話にも出られないしハガキは全て破棄するようにしています。

ですが、先日ふと気になってニッテレ債権回収から届いた封筒を開けてみました。
中には、「何日までにお金を支払ってください」といった内容が書かれていました。金額が20万円を超えていて、怖くなりました・・・

他にも実は、アイ・アール債権回収というところからも月1でハガキが届きます。アイ・アールからは電話はかかってこないんですが、やっぱり気持ち悪いです。

両方、詐欺だと思って大丈夫ですか?なぜ、私のところにだけしつこく何度もこんなに連絡が来るのかがわからなくて本当に怖いです。もし解決する方法があるなら知りたいです(ニッテレの方は、着信拒否をしても別の番号から電話がかかってきます・・・)。

よろしくお願いいたします。

相談者さんとの電話相談

このメールでの相談を受けて、行政書士事務所のスタッフさんが折り返しの連絡をしています。中には、ニッテレ債権回収やアイ・アール債権回収を名乗る詐欺業者も存在するといわれていますが、相談者さんのケースのように何度も請求書が届いていて、電話での督促もかかってきているケースでは、忘れてしまっている過去の請求書が存在する可能性が高いと予測されました。

その際のやり取りは、以下の通りです。

この度はメールでの問い合わせをいただき誠にありがとうございます。お問い合わせをいただいた行政書士事務所ですが、今お電話よろしいでしょうか?

はい。お願いします。毎日、スマホが鳴ったり、郵便受けを開けたりするたびに、びくびくしているんです。

そうなんですね。かしこまりました。まずは、メールの内容を確認いたしました。今回は電話やはがきがニッテレ債権回収とアイ・アール債権回収から届くから、これらを無くしたいということですね?

はい。そうなんです。ニッテレとかアイ・アールっていう会社は詐欺の会社なんですか?

メールだけでは判断できませんが、詐欺とは言い切れません。ニッテレ債権回収もアイ・アール債権回収も実際に存在する会社ですので。

そうなんですか?ニッテレもアイ・アールも両方会社名を聞いたことがありませんよ。知らない会社から請求書が届くなんていうことがあるんですか?

はい。これらの会社はサービサーといって、クレジット会社や銀行、消費者金融などの借金の請求を専門にしている業者なんです。いつもの引き落としや請求書はクレジット会社などの金融機関から直接されると思いますが、何か月間か支払いが滞ってしまうとこれらの金融機関はニッテレやアイ・アールのような専門業者に回収を委託することがあるんです。

そうなんですか?

はい。ニッテレ債権回収やアイ・アールを名乗る詐欺もあるらしいので、詐欺ではないとも言い切れないんですが、詐欺ではない可能性の方が高いと思います。電話はどうしてニッテレ債権回収からのものだってわかったんですか?

えーっと、かかってきた電話番号をインターネットで検索したらニッテレ債権回収の番号だということが分かったので・・・

ニッテレ債権回収の事務所から電話がかかってきたということですね。そうしたら、やはり詐欺ではなくて未払いの請求が存在している可能性が高いです。届いた封筒を詳しくみられませんでしたか?

えーと、怖くなったので支払期日と金額だけ見てすぐにしまってしまいました。とても、期日までに20万円以上もの金額を支払えないし、金額を見て、高額だからやっぱり詐欺っぽいって思いましたし。

そうなんですね。では、今お手元に、ニッテレ債権回収から届いた書類は手元にありますか?もし書類が手元にあれば、滞納金に関する情報が詳しく記載されているはずです。

あ・・・もしかしたらあったかもしれません。少し探してみます。

お願いします。ちなみに、相談者様ご自身の記憶では、今のところカードローンとかクレジットカードの引き落としの滞納などの心当たりはありませんか?

ん~・・・確かに前にカードローンやクレジットカードのキャッシングは使っていたことがあって、今はそのカード使ってないんですけど、ちょっとわからないですね・・・

承知いたしました。では、少し時間をおいてまたこちらからお電話しましょうか?ご都合の良い時間を教えていただければ・・・

お願いいたします。10分後くらいにかけていただけたらちょうどこないだ届いた請求書がたまたままだ残っていると思います。

こうして、一旦電話を切った後、行政書士事務所のスタッフさんは10分後に再び電話をされました。

失礼します。ニッテレ債権回収とアイ・アール債権回収からの書類はいかがでしたか?

どちらも見つかりました。やはり、私、滞納していたみたいです。
20年前くらいのカードローンの滞納と7年前のカードショッピングの分割の滞納が記載されていました。

どちらも、相談者さんのもので間違いないですか?

そうですね。20年前のものは古すぎてはっきりしないんですが、この時期にアプラスのカードを使って買い物をしたのは間違いないですし、7年前のヤマトクレジットファイナンスのカード決済の分ははっきりと思い出しました。

そうなんですね。金額はそれぞれどのくらいですか?

はい。アプラスの方は167,092円・・・ヤマトクレジットファイナンスの方は・・・309,941円です。これ、支払わなきゃいけないんですか?私、こんなに払えない・・・

借金なので、利息や延滞損害金が発生して元々借りた金額よりもかなり高くなっているんですね。借りたお金なので、返済はしなければならないのが原則なんですけど、もしかすると状況次第では法律で状況が解決できるかもしれません。

状況次第とはどういうことですか?

よく、テレビドラマの刑事事件などで「時効が成立した」という話を警察や容疑者がしていることが多いと思いますが、お金の支払いについても時効が認められる場合があるからです。

お金の貸し借りに時効があるんですか?それは何年なんですか?

今回のように民間の会社からお金を借りた場合には時効期間は5年間です。ですが、借金に関する時効は、5年経過したら自動的に成立するわけではないんです。最初の質問ですが、最後に返済をしたのはいつごろか覚えていますか?借金の時効は借金をした時から5年ではなくて、最後に支払った時から数えるので。あと、返済方法の相談をしたり、債権者からの電話を取って借金について何かを話したりした場合も同様です。

えーっと、そうですね。20年前の借金の方はしばらく支払いをしていましたが、この10年は一度も支払いをしていません。7年前のカードの分割支払いの方は、1回支払ったかどうかくらいで、ほとんど支払いをしていないはずです。私は、知らない電話番号からの電話は取らないので、借金について電話で話したことは一度もないです。

わかりました。そういうことでしたら、時効期間については問題なさそうですね。さらに、もう一つ大事なことなんですが、裁判訴訟を起こされた覚えはありませんか?

裁判ですか?それは全く心当たりがないので、ないと思います・・・

裁判を起こされた場合には、ご自宅に裁判所から通知が届きます。ニッテレ債権回収やアイ・アール債権からしか請求書が届いていないなら、裁判は起こされていないと思うんですが、もし裁判を起こされていたら時効期間はいったんリセットされてしまいます。そして、裁判の後、10年経過しないと再び時効期間が成立しません。

それでしたら、大丈夫です。裁判所から通知は届いていません。ということは、私はすでに時効が成立しているということなんですか?それなのに請求書が届くのはなぜなんですか?

いえ、時効期間を経過していても時効が成立しているわけではありません。時効を成立させるには、時効援用通知書という書類を債権者に・・・、今回だったらニッテレ債権回収とアイ・アール債権回収に送付して、「時効期間が経過しているのでお金を支払いません」という意思表示をしなければなりません。時効援用通知書を送って初めて、時効が成立するんです。

そうなんですか。では、私もそれを送りたいです。すぐに作れますか?

今回、手元にサービサーからの督促状をお持ちだということなので、時効援用通知書を作るための情報はそろってますね。時効援用通知書の書き方とか書類は特に決まっていないんですけど、ただ必要なことを漏れなく記載しないと不備になってしまいます。また、内容証明郵便で送付して確実に相手に届いたことを確認しないと、後からトラブルになる可能性があります。
これらの手続きは、ご自身でする方法もありますし、私たちのような行政書士事務所に依頼していただく方法もあります。もし、当事務所にご依頼いただく場合には、1社あたり19,800円の料金で対応しているので、2社分の料金を請求させていただくことになります。

毎日怖くて、気持ち悪いのでぜひお願いしたいです。その手続きをすれば、今かかってきている電話や請求書は来なくなるんですか?

もし、相談者様がおっしゃっているように裁判を起こされた履歴がなくて、最終の支払いから5年以上経過している場合には、時効が成立して督促が来なくなります。手続きが完了するまでに少し時間がかかるので、書類を送ってすぐに督促がストップするというわけではないかもしれませんが。

だいたいどのくらいの期間ですか?

債権者の方次第なので、ケースバイケースなんですけど早ければ1か月間くらいですかね。でも、本当にケースバイケースです。大切なことは、時効期間が経過していることと、不備なく時効援用通知書を送付することです。

わかりました。では、お願いします・・・。

時効は自動的に成立するものではなく、時効を成立させるためには正しい手続きが必要です。

電話相談のポイント解説

今回のポイント解説は、身に覚えのない債権回収会社からの督促状についてです。

ポイント1
サービサーとは

サービサーとは、金融業者に変わって借金や滞納中のお金の督促を専門に行っている業者のことです。サービサーは民間の企業ですが、法務大臣の認可を受けた特定の企業しかサービサーとして活動することはできません。

2019年7月現在のサービサーの数は全国に86社です。本来の債権者に変わって料金の請求を行える事業者は、法務大臣の許可を受けた86のサービサーと弁護士事務所のみです。
逆に言えば、サービサーや法律事務所からの請求があった場合には、会社名、事務所名に身に覚えがなくとも詐欺とは断定できないので注意が必要です。

ポイント2
サービサーからの支払いを無視し続けると・・・

サービサーは元々の債権者から料金回収業務の委託を受けたり、債権を買い取って督促を行ったりしている業者です。従って、サービサーからの請求は、元々の債権者からの請求と同様の効果があります。

今回の相談者さんの例では大きな問題になりませんでしたが、裁判を起こされてしまったり、最悪のケースでは裁判の結果給与や財産を差し押さえられてしまったりする可能性があります。

また、料金の支払いが滞っていると、いわゆる「ブラックリスト」に記録されてしまいます。正しくは、「個人信用情報機関に異動情報が記録される」と言いますが、例えばクレジットカードの契約ができなくなってしまったりローンが組めなくなってしまったりするなど、日常生活を送るうえで大きなデメリットになってしまいます。

支払いを完済した後一定期間経過するか、時効援用手続きが完了すると、ブラックリストの情報も消えます。

ポイント3
サービサーを名乗る詐欺もある⁉

サービサーの名称や非常にサービサーの会社名に非常によく似た名称を勝手に名乗って、料金の請求を不当に行おうとする詐欺業者が存在しており、法務省も注意喚起しています。

今回の相談者さんも、身に覚えのない会社からの請求にかなり不安や恐怖を感じられていましたが、中には不安や恐怖からつい身に覚えのない請求書であっても支払ってしまう方もいます。

「●月●日までに支払わないと裁判訴訟を起こします」

「●月●日までに支払わないと財産を差し押さえる可能性があります」

サービサーの名称でこのような強い口調の請求が届くと、身に覚えがなくてもやはり不安になってしまうものです。

名称を詐称されてしまうと判断が非常に難しくなりますが、詐欺業者には以下の特徴があります。

詐欺業者の特徴

  • 出会い系サイトやアダルトサイトの利用料の請求という名目で請求書が届く(サービサーは、出会い系サイトやアダルトサイトの利用料の請求業務を代行することはありません)
  • 目隠しのないハガキや封筒で書類が届く(サービサーからの書類には必ず個人情報を保護するための目隠しシールがついています)
  • 担当者の連絡先として、携帯電話の番号が記載されている(サービサーの場合には事務所の電話番号が記載されています)
  • 振込先として個人の銀行口座が記載されている

詐欺業者は様々な手口を日々考えているため、これらに該当しなくても詐欺業者の可能性はあります。書面が届いたら、まず支払いの滞納に心当たりがあるか否かを思い起こして、もし心当たりがない場合には慎重に確認をするようにしましょう。

相談者のその後

その後の相談者さんについてですが、行政書士事務所のスタッフさんが確認をしたところ無事に時効援用が成立したとのことです。時効援用手続きから3か月後にスタッフさんと相談者さんが電話をされた際の内容についても紹介しておきます。

いつもお世話になっております。こんにちは。

お世話になっております。こんにちは。先日は、ありがとうございました。

その後、借金の督促についてはいかがですか?

はい。時効援用通知書を送っていただいてから電話もメールもパタッと来なくなりました。おかげさまで、毎日安心して生活できています。ありがとうございます。特にニッテレ債権回収やアイ・アールから連絡が届いたわけではないんですけど。

ニッテレ債権回収からは頻繁に連絡が着ていて、アイ・アール債権回収からも月に一度のペースでハガキが届いているということでしたよね。もし、時効期間が経過していない場合などには、債権者からすぐに異議申し立てが届くので、無事に時効援用が成立したとみて間違いないですね。

電話がいつなるかひやひやしなくてよくなったので、本当に気分的に楽になりました。贅沢言えば、もう少し早く相談していたら良かったなと思います。

まとめ

突然、身に覚えのない請求書が届いたら、怖くてびっくりしますよね。大切なことは冷静かつ慎重に判断をすることです。内容を確認せずに慌てて支払うのも、怖いからといって放置してしまうのもよくありません

今回の相談者さんの事例では、未払いの請求書が2件あって、どちらも請求書が元々の債権者からサービサーに移行している状態でした。相談者さんはかなり困惑されていましたが、行政書士事務所のサポートもあってスムーズに滞納のお金の問題が解決できました。

今回、問題の解決のために使った法律の制度は、時効の援用です。
最終の支払いから5年以上経過した借金は、条件を満たした場合、時効援用通知書を送付することで帳消しにできる可能性があります。書類の作成のサポートを行っている行政書士事務所もあります。

今回の相談者の方のように、身に覚えのない請求書で困っている方は、ぜひ一度相談をしてください。