時効援用サポートサービスの対応事例

~住宅ローンに通らない!信用情報のキズは消えるの? 

こんにちは。
私は、多くの方々に向けて法律問題のトラブルや判例などを紹介したり解説をする仕事をしています。
今回紹介するのは、過去の借金の未払いが原因で住宅ローンに通らなかった男性の話です。

彼は、行政書士事務所に時効援用の相談をすることでこの局面を乗り切りました。家を購入したい時に住宅ローンが組めないという事態をいかに解消したか?

実は、この話を紹介することになったのは、実際に私がその相談をされている場面に遭遇したからなんです。私が、別件の仕事で行政書士事務所にお邪魔していた際にかかってきた一本の電話は、住宅ローンの審査に落ちてしまい、理由を調べたら過去に支払いが完了していない借金があったことを発見した相談者からの電話でした。

許可をもらって、その時の実際のやり取りメモを見せていただきました。

幸い、相談者は行政書士事務所のサポートにより時効援用が成立し、借金の支払い義務を帳消しにすることに成功しました。そして、最終的には無事に一軒家を購入するに至ります。
彼が「夢のマイホーム」を手に入れるまでの経緯をぜひご覧ください。

住宅ローンの審査に通らない(相談者さんのプロフィール)

まずは相談者さんのプロフィールについて紹介します。

相談者さんのプロフィール
年齢 30代半ば
性別 男性
職業

会社員(勤続年数5年目。会社の業績が好調で、相談者さんは現場リーダーとして様々なプロジェクトで成果を得ています。)

家族構成

妻・子供1人(幼児)

相談内容

物件購入の準備を進めていたところ、銀行の住宅ローンの審査に通らなかったのです。不動産会社の担当者からアドバイスをされて個人信用情報機関に問い合わせてみたところ、信用情報に事故登録(過去の借金の未払い)があったことが発覚しました。債権者からの督促もなく、すっかり相談者さん自身すっかり忘れてしまっていた借金でしたが、思い返してみると確かに借りた自覚がありました。

相談者の要望

借金は利子や延滞金を含めて50万円。住宅購入用の貯金を使えば何とかなりますが、借金の返済に全てを当ててしまうと住宅購入に支障がでます。また、借金を返済しても、住宅ローンが組めるようになるにはある程度期間を待たなければならないとのこと。

相談の
きっかけ

相談者さんは様々な状況が重なって、一軒家の購入を検討されていました。子供が大きくなって自宅が手狭になってきたこと、5年間勤務して会社内でのポジションがある程度定まり、将来的にも安定した収入が見込めそうであること、今の会社では転勤の可能性がほとんどないこと、年齢的に住宅ローンを組むのにちょうど良い時期に差し掛かってきたことなどです。
そして、現在の収入や貯金額、銀行の金利などをシミュレーションした結果、現在の賃貸住宅の家賃並みの無理のないローンが組めそうな状況でもありました。
(年収:500万円、貯金:100万円、住宅購入の際の親からの援助:600万円、希望する物件:2,800万円の一戸建て)

こちらが実際の信用情報記録開示書です。

借金が残ったままだと事故情報が永遠に残り続けるため住宅が買えない・・・
しかも、よくよく聞いてみたら住宅だけではなくてマイカーローンや保険商品の契約も通りにくいとのこと。ここまで幸か不幸か借金の未払いの影響は受けずに来ましたが、住宅ローンの審査が通らないとなれば何とも仕様がない・・・

なんとか今の生活を崩さずに借金を帳消しにする方法はないものか・・・
インターネットで散々調べてたどり着いた答えが、時効援用でした。そして、行政書士事務所で時効援用サポートを行われているという情報を知り、相談を決意されました。

住宅ローンが通らない時の時効援用サポートの相談

もしもし・・・

お電話ありがとうございます。どのようなご用件でしょうか?

はい。えーと・・・実は、こないだ住宅ローンに申し込みをしたら通らなくて・・・それで調べてみたらどうも完済していない借金があったようでして、その借金を時効で帳消しにできないかと考えているんですが・・・

なるほど、承知いたしました。その借金の心当たりはありますか?

はい。いわれてみれば10年くらい前に一度消費者金融業者にお金を借りたままになっていた借金がありました。1件だけなんですけど。

1件なんですね。その借金は最後の返済から5年以上経過していますか?

はい。恥ずかしい話ですが、最初の1、2回しか返済していないので、その後10年間くらいずっと借金は滞納になったままです。返済の督促もなかったので、ずっとほったらかしにしていました。こんな風に、ずっと相手から連絡がなくても信用情報機関には記録が残っているものなんですね?

そうなんですね。・・・はい。借金の滞納は基本的には完済するか何らかの法律的な手段で解決するまでは信用情報として記録され続けます。すみません、あと一つ質問なんですが、その間に相手方から裁判を起こされた覚えもありませんか?

起こされていないと思います・・・もし裁判を起こされたら通知が届くんですよね?

はい。裁判所からハガキか通知が届くはずです。

それだったら、やっぱり大丈夫です。裁判は起こされていないはずです。

お話の内容の通りでしたら、時効援用の手続きが取れますね。

あの、それで・・・もし時効援用の手続きが完了した場合には、信用情報のキズも消えるんでしょうか?

そうですね。時効援用が成立すれば最短で2~3か月。長い場合には5年間で個人信用情報のキズは消えますよ。

長い時には5年もかかるんですね・・・?

住宅ローンのポイント解説

ここまでのポイントを一度整理しましょう。

今回の相談者の方の相談内容は、過去にある借金が未払いになっているために銀行の金融機関のローンが通らない状況ということです。

金融機関の住宅ローンは、大手銀行、都市銀行、信用金庫などによって多少審査基準などは異なりますが、今回の相談者の方のケースの場合頭金もあり、借入額に対して年収が少ないわけではないので、収入や貯蓄額の面では大きな問題はなさそうに見えます。

住宅ローンに通らなかったことを不思議に思った相談者が念のため個人信用情報機関に問い合わせをしたところ、未払いの借金が発覚したという次第です。

ポイント1
【個人信用情報機関とは】

個人信用情報機関とは、CIC、JICC、KSCの3社で、それぞれクレジットカード会社や金融業者などから情報を集め、個人一人ひとりの信用情報を記録している会社です。クレジットカードの引き落としや借金の滞納などがあると、その情報はすぐに個人信用情報機関に登録され、3社で登録されてしまいます。そして、その情報は登録する内容ごとに決められた一定期間残り続けます

ポイント2
【個人信用情報の異動とは】

このように個人信用情報機関に登録されている信用情報のキズの情報のことを「異動」といいます。個人信用情報機関に信用情報を紹介した場合、滞納などの履歴は「異動」と表記されていますので覚えておきましょう。

ポイント3
【個人信用情報の事故情報の登録期間とは】

借金の滞納の登録期間は5年間なので、時効援用が成立した後に事故情報として残り続ける最長期間は5年ということになります。そして、時効援用によって最初から借金がなかったことにしてもらえるケースでは2~3か月程度で信用情報のキズがなくなるケースもあるということです。

ポイント4
【時効援用すれば信用情報機関の情報は消える?】

時効援用手続きが完了した場合に、個人情報機関の情報がすぐに消えるかどうかはケースバイケースです。個人情報機関の情報は照会すれば調べることができるので、時効援用手続きが完了した数か月後に照会をかけると良いでしょう。
個人情報機関への照会は1,000円程度の手数料がかかります。

また、CIC、JICC、KSCの3社は情報を共有していますが、すべての情報を共有しているわけではありません。正確に情報を確認するためには、3社すべてに情報を照会する必要があります。

自分での照会に不安がある方は代理で信用情報を開示できるサービスもあります。

時効援用は滞りなく手続き完了

50万円という高額のわりに、時効援用の手続きはあっけなく完了しました。

相談者は行政書士スタッフからの依頼通り、身分証と債権者からの請求書を用意して、その写真データをメール送信しました。行政書士事務所が、書類の内容に基づいて債権者宛に内容証明郵便にて時効援用通知書を送付しました(これにかかった時間は、最初の相談から1週間です)。

その後、しばらく債権者からは何の連絡もなかったので、相談者から念のため債権者に確認の問い合わせをしたところ不備なく時効援用手続きが完了したとのことでした。トータル1か月程度で時効援用の手続きが完了したことになります。

督促などが一切なく、相談者本人さえ忘れていた借金とはいえ、やはり借金が消えたということには非常に大きな安心感が得られたそうです。どうしても(借金さえなければ今頃は一軒家を契約できていたかもしれないのに・・・)と思ってしまうので、1日も早く借金の滞納のことを消してしまいたかったとのことでした。
その借金は、たった一通の通知書により、ほとんど跡形もなく消えてしまったのです。

行政書士事務所のスタッフの方によると、時効援用が成立して2か月ほど経過した時に、相談者から再び相談の電話があったということです。そうです。跡形もなくとは書きましたが相談者にとっては非常に大きな問題がありました。希望する住宅ローンを組むために大きな障害となっている個人信用情報の異動情報です。

引き続き、その時のやり取りを紹介します。

【相談】事故情報はいつ消えるの?

この度は、時効援用の手続きをサポートしていただきありがとうございました。それほど遠くないうちに住宅ローンが通るかもしれないと期待しながら、休みの日には物件探しも引き続き行っていたので、時効得援用通知書をすべてお願い出来てすごく助かりました。ローンの審査に通らなかったことで物件探しはいったん一から再スタートになりましたが、それでも住宅のパンフレットなどを見ていると希望がとても大きくなります。

こちらこそ、ありがとうございます。結果、時効援用も成立してよかったですね。お役に立てて何よりです。・・・今回は何かご相談ですか?

はい。そうなんです。いつ頃信用情報がきれいになるのかな、と思いまして・・・確か、「早ければ2~3か月」ともおっしゃっていたので・・・

そうですよね。確かに早ければ2、3か月で信用情報が消える場合もありますね。情報信用機関に照会はされましたか?

まだですね。インターネットで情報を見ると短期間で何度も照会をかけると、履歴が残るからあまりよくないというようなことが書かれていたので・・・

あ~、それでしたら、問題ありませんよ。確かに、例えば銀行とかクレジット会社が何度も信用情報の照会をかけると履歴が残ってしまうんですけど、個人が本人の信用情報を開示する場合には履歴は残りませんから。個人の信用情報の照会をかけることは何のデメリットもありません。多少の手数料と手間はかかりますが。

そうだったんですか!そうしたら、少し気が早いかもしれませんが照会をかけてみます。実は、良い物件が見つかったので急いでいたんです。

それでしたら、個人信用情報の状態がなおさら気になりますよね。

そうなんですよ。ちなみに、まだ「異動」の情報が残っていたらどうしたらいいんですか?

その場合には、債権者に連絡をして状況を問い合わせてください。事情を説明して、できるだけ早めに個人信用情報を削除してもらうように・・・あくまで、こればかりは先方次第ですし、消費者金融ならどの顧客に対しても一律で同じ対応を行っているケースもあるので、結果は何とも言えないのが残念なところですが。。。

わかりました!まずは、一度個人信用情報を照会してみます。

はい。その結果、もし困ったことがあったら気軽に相談してください。

そして、相談者が個人信用情報機関に照会をしてみたら「異動」情報はすでに削除されていたということです。

※補足
銀行やクレジット会社が同じ人の照会を何度もかけると信用が落ちる可能性があるのは、それが不自然なことだからです。
例えば、複数のクレジットカード会社が同じ時期に照会をかけている履歴が残っていると、第三者には「クレジットカードの審査に通らなかったから何社も登録をしようとしているのではないか?」「同時に何枚もクレジットカードを作って不正を働こうとしているのではないか?」といった風に映ります。つまり、照会履歴の多さが不審人物とみなされ、ローンやクレジットカード契約の審査に通りにくくなってしまうということです。

ポイント5
【個人信用情報の照会方法】

個人信用情報の照会方法はCIC、JICC、KSCのWebページに掲載されています。
照会方法もそれぞれ異なりますので、ホームページの記載内容を確認しながら行いましょう。機微な個人情報でもあるので、情報照会のためには免許証などの身分証が必要です。

例えば、CICでは、PC、スマートフォン、郵送、窓口の4つの開示方法があります。PC、スマートフォンで開示を依頼する場合は平日8:00~21:45の時間帯で依頼ができ、手軽に照会できます。

個人信用情報が削除してもらえなかったケースではどうするの?

そうして照会をかけた結果、相談者の個人信用情報は削除されていました。
事故情報のないきれいな状態になっていたということです。

滞納の状態が続いていれば異動情報はずっと残り続けます。なんとか完済できたとしても、異動情報が消えるまでには5年間残り続けます。そういう点では、時効援用は完済以上の効果を発揮することもあります。

しかし、スタッフの方に詳しく伺うと、必ずしも今回の相談者のように個人信用情報がきれいになるとは限らないのだそうです。そういった場合にどのような対応を取ればよいかスタッフの方に聞きました。

個人信用情報機関は内部の規定に従って事務的に登録をするのみなので、ポイントになるのは債権者が債権をどのように処理するかです。従って、手段としては債権者に働きかけていくしかありません。時効援用手続きをしているという負い目はあるかもしれませんが、目的を達するためには確認や依頼をしなければならない部分についてはきちんと主張すべきだということです。

なお、その時に個人が主張を行ってもなかなか耳を貸してもらえないこともあるそうです。どうしても困った時には、弁護士・司法書士・行政書士などの法律の専門家を頼るのがベストだということです。個人で債権者に対してどんなに掛け合ってもダメだったケースで、法律事務所のサポートで解決した事例は数多くあります。

そのような手段を尽くしてもどうしても信用情報のキズが消えない場合には、情報が確実にきれいになるまで待つ(5年間)か、配偶者の名義で住宅を購入する、などの方法が考えられます。信用情報に異動情報が残ったまま住宅ローンを借りられる可能性はかなり低いため、期待しない方が良いでしょう。

なお、5年の経過を待つ場合ですが、その間新たな滞納や延滞をしないことはもちろんですが、できるだけ信用が高まるように努めることも重要です。信用が高まるポイントとしては、以下の項目が考えられます。

  • 年収を増やす
  • 頭金をできるだけ多く用意できるようにする
  • 信用情報の実績を増やす(クレジットカードの支払い実績など)

時効援用の手続きは、借金が帳消しになった時点で完了と考えるケースが多いですが(実際、成功報酬型の料金体系を取っている法律事務所では、時効援用手続きが完了し借金が帳消しになった時点で「成功」案件として扱われています)、ただ依頼主の社会的な立場という点で言えば個人信用情報の「異動」情報が削除された時点で本当の意味で借金から解放されるともいえるかもしれませんね。

「異動」情報が消えた後は・・・

異動情報が消えた後の相談者についても紹介しておきます。

行政書士事務所のスタッフは、時効援用手続きから1年ほどが経過したころに相談者からメールを受け取りました。その内容を紹介します。

お久しぶりです。
先日は過去の私の借金の件で尽力下さり誠にありがとうございます。あの時点で時効援用の手続きが取れていなかったら私の今の生活は全く異なったものとなっていたことだと思います。たびたび、あの時助けていただいて本当に助かったと感じていますが、お礼を伝えることもせずご無沙汰しておりまして申し訳ございません。

私の近況ですが、実は先月希望していた一軒家を購入することができました!ようやく、引っ越しのバタバタが落ち着いてきたところなんですが、今回メールを書こうと思ったのもこうしてついに最終的に希望がかなったからなんです(もちろん、ローンはまだまだ残っていますが)。

審査に通るか否かは金融機関の審査次第といわれていたので、個人信用情報の異動情報が消えたのがわかった後も実はかなりドキドキしていました。実際に、再び希望する条件にぴったりの物件が見つかった時に、審査に通るかどうか不安で不動産業者の担当者にもかなり念入りに質問しました。結局、フラット35が比較的審査に通りやすいということを不動産業者の方が教えてくださって、幸いフラット35でローンを組むための頭金も何とか用意できたので(親からの援助も含めてですが・・・)、無事に審査が通りました。思えば、最初に審査に落ちた時にはほとんど何も心配せずに申し込んだら「まさか・・・」という結果でしたが、今回はヒヤヒヤしながら申し込んだだけにどこかあっさりといった感じがしました。

新居は、子どもの幼稚園の転園も必要なく、私自身の通勤にも便利で、妻も家事がしやすいと家族全員が満足できる条件で見つかりました。ここからまた、毎日仕事を頑張って家族との時間を大切に過ごしていこうと思えます。

改めて本当にありがとうございました。

まとめ

幸い、私は今回も時効援用の相談から、時効援用が成立して最終的に信用情報のキズが消えるまでを見届けることができました。

一軒の借金滞納の情報が、住宅や自動車、保険商品などの契約の際に信用の事故情報として大きなネックになってしまうことは珍しいことではありません。中でも最も高額であり審査が厳しいのが住宅ローンです。住宅ローンは、頭金や収入など一定の信用の裏付けが必要であると同時に、完済時の年齢も審査項目の一つですので、1年でも早く信用情報をきれいにすることが住宅を購入できるか否かに大きく関わってくることもあるからです。

借金の滞納金を放置してしまうと半永久的に延滞情報が残り続けます。完済は最も望ましい手段ではありますが、完済後に5年経過しないと信用情報のキズは消えません。対して、時効援用の場合には手続き完了後に2~3か月で信用情報がきれいになる可能性があります。

実際に、今回の相談者の方のように審査に通らなかった状態からわずか1年ほどで住宅を購入されているケースを目の当たりにすると、時効援用が借金滞納の解決手段の一つの理想のようにも思えます。もし、同じように住宅を購入したいものの過去の借金がネックになっている方は一度行政書士事務所などの法律事務所に相談をされてみてはいかがでしょうか。