携帯料金の時効は成立可能!肝心なのは請求されたときの対処法

携帯料金の滞納はある期間を過ぎると、支払義務の消滅時効(お金を借りた方の支払義務がなくなること)を成立させることができます。
いわゆる「時効援用」と呼ばれる手続きですが、正しく理解していないと時効が成立しないばかりか、裁判所から強制執行(差し押さえ)されることもあります。
今回は、携帯料金の消滅時効がいつなのか、時効援用するときの注意点についてご紹介します。ブラックリスト(信用情報)についても触れていますので、ぜひ合わせて確認してみてください。
目次
携帯料金の消滅時効っていつなの?

格安SIMの登場により携帯料金は安くなりましたがまだ高い印象です。その為、中には携帯料金が支払えず、何ヶ月も滞納してしまう方もいます。
では、携帯料金の消滅時効はいつなのでしょうか?
携帯料金を滞納すると2〜3ヶ月で強制解約
携帯料金は1ヶ月でも滞納すると、携帯会社から支払を催促する「督促状」が届きます。
誰しもついうっかりで引き落とし口座にお金を入れ忘れることはあるので、督促状が届いてからすぐに支払をすれば問題はありません。
ただし、滞納期間が2ヶ月以上になると話は変わります。
「支払い能力がない」「支払う気持ちがない」と判断され、携帯会社にもよりますが滞納期間が2〜3か月になると契約を強制解約されることがあるのです。
携帯料金は5年が経過すると消滅時効になる
契約を強制解除されても、滞納分の支払義務まで解除されるわけではありません。
滞納分の携帯料金を支払うまで、携帯会社から定期的に督促状が届きます。この後、詳しく紹介しますが、場合によっては裁判に発展することもあり対応には注意が必要です。
では、支払えないときにどうすればいいのかと言うと「時効援用」があります。
時効援用とは時効となった借金等に対して、支払義務の消滅を請求できる権利や手続きのことです。こちらで詳しくご説明しています。
携帯料金の消滅時効として定められているのは、最後の支払日から5年間が経過したときです。つまり、すでに最後の支払いから5年が経過しているのであれば、時効援用の手続きをすれば携帯料金の支払義務はなくなります。
定期的に送られてくる督促状に悩まされることもなくなる訳です。
5年以上未払いの携帯料金に心当たりがある場合は時効援用の専門家に相談してみてください。未払い料金を支払わずに済むかもしれません。
督促状等には安易に対応してはいけない
ここで注意したいのが、消滅時効までの期間はリセットされることがあるということです。
例えば、携帯会社からの督促状に対して、一部でも支払うと時効までの期間はリセットされます。また、携帯会社から回収作業を委託された「債権回収会社」による請求に対応しても同様です。
ちなみに、債権回収会社に委託されただけでは、期間はリセットされないので安心してください。
裁判上の請求があったときの対処法

携帯会社や債権回収会社とのやり取りだけであれば、時効まで静かにやり過ごすこともできます。しかし、場合によっては裁判沙汰になることもあり、裁判所からの請求を無視するのは要注意です。
「答弁書」は期日までに提出しておくべき

先生!携帯料金を滞納していたら、裁判所から「答弁書」が届いたのですがどうすればいいですか?

必要事項を記入して、すぐに返信しなさい。放置していると裁判所から強制執行されるかもしれませんよ。
まず、携帯会社が裁判所に支払等の申し立てをすると、裁判所から訴状や呼出状の他に「答弁書」が送られてきます。
答弁書とは以下のようなもので、原告の請求に対して意見を述べるための書類です。

参照:裁判所
例えば、原告(携帯会社側)の請求のどこが間違っているのか、現状に対して自身の言い分は何なのかなど。和解を求めるのであれば、その理由と和解内容についての記載も可能です。
もし答弁書を期日までに提出せず、かつ裁判に出廷しないと「欠席裁判」として扱われます。
欠席裁判では原告の請求がすべて正しいものと判断され、携帯料金の徴収の強制執行を受ける可能性があるのです。どのような理由であれ、裁判所からの答弁書は返信しておきましょう。
5年以上が経過しているなら「異議申し立て」しよう
裁判所から答弁書等が送られてきたとき、すでに携帯料金の滞納が5年以上経過しているのであれば、答弁書に「消滅時効を援用する」と記載し、同時に「異議申立書」を送付する必要もあります。
援用時効の手続きについてはこちらやこちらで紹介していますのでご確認ください。
また、手続き等について不安のある方は、時効援用に特化したサービスを利用するのもひとつの手です。
プロに任せておけば面倒な手続きもスムーズに進められます。
時効援用しても信用情報は「要注意人物」として残る!

携帯料金の滞納が5年以上経過し、時効援用が成立すれば支払義務はなくなります。ただし、時効が成立したからと安心するのはまだ早いです。
ここからは、時効が成立した後の注意点をご説明しましょう。
支払義務はなくなっても信用情報は残る

先生!時効が成立して支払義務はなくなったのですが、それからカードやローンに通らなくなりました…。

あぁ、信用情報に記録されているかもしれませんね。金融機関等に警戒されて審査が厳しくなっているんです。
今回、時効援用によって支払義務がなくなるのは滞納してきた携帯料金だけです。
携帯料金の滞納者は、携帯会社にとっての「要注意人物」として信用情報が「電気通信事業協会」に記録されます。一般的に5年間は残るとされ、その期間は新たに携帯の契約が難しくなるのです。
電気通信事業協会にはドコモやau、ソフトバンクなど各携帯会社が加盟しています。
その為、もし信用情報が記録されると、滞納してきた携帯会社以外も同様に審査に通りづらくなる訳です。
信用情報が残るとローン審査に通らないかも
携帯料金が口座引き落としであればまだいいのですが、クレジットカード払いだとさらに問題です。
と言うのも、クレジットカード払いではカード会社に対しても滞納していることになります。一般的にカード会社は「信用情報機関」に加盟しており、滞納者の信用情報がそこにも記録されるのです。
各信用情報機関にはカード会社の他にも、銀行等の金融機関も数多く登録しています。
つまり、信用情報機関に記録されると、カードやローンの審査まで厳しくなる可能性が。「携帯料金くらい…」と軽く考えていると、車や家のローンが組めなくなり将来的な不安になります。
ちなみに、信用情報機関に記録されているのか調べる方法、解除までの期間についてはこちらで紹介していますのでご確認ください。
まとめ

携帯料金の消滅時効までの期間は、最後の支払日から5年が経過するまでです。
すでに5年が経過しているのであれば、「時効援用」の手続きを取れば滞納していた携帯料金の支払義務はなくなります。どうしても携帯料金を支払えないのであればひとつの選択肢でしょう。
ただし、携帯会社からの督促状に対して、一部でも支払うと時効の期間がリセットされます。また、裁判所からの答弁書を無視すると徴収の強制執行(差し押さえ)されることもあります。
まずは最後の支払日を確認し、場合によっては専門家のサポートを活用して上手に手続きを進めてください。