2019.08.02更新

借金の時効成立で踏み倒しはできるの?時効援用のデメリット

借金には時効があり、援用(放棄する意思表示)することで踏み倒しができます。

ただし、時効援用による借金の踏み倒しは安易にするべきではありません。と言うのも、借金の支払義務はなくなりますが、ブラックリストに記載されるなどのデメリットがあるのです。

今回は借金が時効になるまでの期間、踏み倒しの方法についてご紹介します。借金の踏み倒しによるデメリットにも触れていますので、ぜひ合わせて確認してみてください。

借金の時効までの期間と踏み倒しの条件

先生!借金にも時効があるって聞いたんですけど本当ですか?もし本当なら踏み倒し放題ですね!

確かに借金にも時効がありますよ。ただ、時効までにはある程度の期間と踏み倒しには手続きが必要です。

冒頭でも紹介した通り、借金には時効があり援用(放棄する意思表示)することで踏み倒しが可能です。
では、借金が時効になるまでの期間や、踏み倒しの手続きについてご説明しましょう。

借金が時効になるまでの期間

借金は「個人」と「法人」のどちらから借りたのかによって、時効までの期間に差があります。

時効までの期間

  • 個人から借りた場合…10年間
  • 法人から借りた場合…5年間

家族や友人、知り合いなど個人間でのお金の貸し借りによる時効は10年間です。
対して、銀行や消費者金融など法人から借りたときの時効は5年間と個人間よりも短くなっています。

また、時効までの期間は「最後に返済した日の翌日」からカウントします。
例えば、法人からの借金だとして、2010年12月31日が最後の返済日だとすると2016年1月1日が時効期日です。

踏み倒しには意思表示が必要

先生!借金は時効期日になったら自動的に返済義務がなくなるんですか?

それはちょっと違います。時効期日になったとしても、返済を放棄する意思を示さないと踏み倒しはできません。

借金の踏み倒しには以下の2つの条件をクリアする必要があります。

借金の踏み倒し条件

  1. 時効期日になっている
  2. 時効援用の旨を貸主に伝える

月日が経てば時効期日になりますが、それだけでは返済義務の放棄はできません。
大切なのは貸主に対して「時効期日になったので、時効援用(返済義務を放棄)します」と伝えることです。

法的には伝える方法は定められていないため、口頭で伝えるので大丈夫です。
ただ、貸主から「聞いていない!」と反論されないためにも、「内容証明」で郵送することをおすすめします。

内容証明であれば内容と日付を郵便局が証明してくれるので確実です。必要な書類等は郵便局の窓口で購入できますし、内容証明の正しい書き方も窓口で教えてもらえます。

ちなみに、時効援用通知書の書き方についてはこちらでも詳しく紹介していますので、実際に書いてみる前にぜひ確認してみてください。

時効の援用をする場合、必要事項が漏れていたりすると受理してもらえないケースもあります。内容証明を代行で作成してくれるサービスもあるので、不安な方はこういったサービスを活用するのもおすすめします。

債権者は踏み倒しを阻止しようとする

日本の法律は「権利を主張しない者は保護しない」のが基本です。だからこそ借金にも「時効」が存在するのですが、当然ながら貸主は借金の踏み倒しがないよう様々な方法で阻止してきます。

催促状により返済の要求がある

一般的に借金を踏み倒していると、貸主から「返してください」との内容の催促状が届きます。

催促状はあくまで返済をお願いする書類であり、基本的に借金の時効期間には影響しません。しかし、催促状に対してもしたとえ1円でも返済してしまうと時効期間はリセットされます。

先述したように、借金の時効期間は最後の返済日の翌日からカウントされるためです。

簡易裁判所に支払催促の申し立て

催促状だけならいいですが、貸主が簡易裁判所に「支払催促の申し立て」をすることがあります。

支払催促の申し立てが受理されると、裁判所から「支払命令」が届くことに。
2週間以内に「異議申し立て」を行わないと、貸主側の主張が優先され支払義務が明確なものとなります。

支払命令に限らず、裁判所からの書類は強制力のあるものばかりなので確実に目を通しておきましょう。

時効援用をすることのデメリット

先生!借金があったんですが、時効期日になったので貸主に伝えて解放されようと思います。

ちょっと待ちなさい。時効援用するのはいいですが、踏み倒しのデメリットは理解していますか?

時効期日になり貸主に時効援用の旨を伝えることで、借金の踏み倒しはできます。
ただし、時効援用をする前はもちろん、借金を踏み倒してからもいくつか注意点があるので確認しておきましょう。

時効成立まで借金は減らない

当たり前のことですが、時効が成立するまで借金は減りません。むしろ、借金には金利がつきものですから、踏み倒しを続けていると利息や遅延金などにより借金は増えていきます

時効が成立する前に、貸主が裁判所に支払催促の申し立てや和解申し立てなどをしたらどうなるでしょう。もし強制執行でもなると、増えた借金まで強制的に返済させられるのです。

精神的ストレスがかかる

借金の時効までには最低5年かかります。実際に借金の踏み倒しをすると分かりますが、5年間もの間、貸主からの再三の要求に耐えながら逃げ続けるというのは相当なストレスです。

場合によっては貸主から逃れるために、引越しや転職をすることもあるでしょう。独り身ならまだいいのですが、配偶者や子どもがいる方だと家族にまで迷惑をかけてしまいます。

また、貸主側は踏み倒しをされたという記録を残しておく可能性が考えられるので、時効援用をした先では今後利用することが難しいのもデメリットのひとつです。

まとめ

基本的には貸主が個人であれば10年間、法人であれば5年間、借金の返済をしないと時効が成立します。貸主に対して「時効援用します」との旨を伝えることで、借金の返済義務の放棄が可能です。

返済がどうしても難しいという場合は時効援用制度を活用してみてください。

手続き等に不安な方は、時効援用サービスの専門サービスに相談することをおすすめします。