2019.07.29更新

給与・資産差し押さえの概要とデメリット!対処法を解説

給与・資産の差し押さえとは、借金返済が滞納した時に債権者が裁判所の命令により債務者から回収する方法です。給与、資産の差し押さえは法的な手段なので強制力があります。また、給与を差し押さえられると借金滞納の事実が勤務先にも分かってしまいます。

今回は、給与や資産の差し押さえとはどのようなものかを紹介するとともに、差し押さえをされないために取れるべき対応について解説します。

差し押さえは非常にデメリットが大きく、日常生活にも大きな影響が生じてしまいますので、早めに法律の専門家である法律事務所に相談し、未然に防ぐことが重要です。

給与・資産の差し押さえとは

借金を滞納し続けていると、債権者から給与や資産を差し押さえられてしまう可能性があります。まずは、差し押さえの概要と差し押さえをされる場合の流れについて解説します。

差し押さえの種類

債権者の目的は、債権(借金)を回収することです。従って、差し押さえの対象となるのは以下の財産です。

差し押さえ対象

  • 給与や預金
  • 売り掛け金(債務者が企業や個人事業主の場合)
  • 不動産(自宅、土地、社屋など)
  • 動産(貴金属や骨とう品、小切手、現金などの換金価値のあるもの)

差し押さえの流れ

差し押さえは、公権力によって強制的に行われますが、突然急に給与や財産を差し押さえられるわけではありません
差し押さえは以下の手順で行われます。

  1. 裁判訴訟で債権者側が勝訴し、裁判所から支払いの命令が下る
  2. 裁判の結果が出たにもかかわらず支払いが行われない場合、債権者は差し押さえなどの強制執行を行うために債務名義執行文送達証明書を取ります。
    これらの書類は、強制執行をするために必要な書類です。
  3. 書類の準備が完了したら、債権者は債権差し押さえ命令申立てを裁判所に対して申請し、債務者に連絡をします。
    不動産の場合はこのときに競売にかけられます。

差し押さえの対象外となるもの

差し押さえというと、給与や財産を根こそぎ奪われてしまうようなイメージがあるかもしれませんが、お金になる財産なら何でも差し押さえられてしまうというわけではありません。 債務者が生活をしていけるように一定の権利が守られているからです。

給与・財産の差し押さえには以下の制限がかけられています。

差し押さえ対象外

  • 給与は手取り額の4分の1が上限(ただし手取り額が44万円を超える場合は債務者に33万円残れば4分の1を超えて差し押さえすることも可能。
    また養育費に関しては、収入に関わらず2分の1まで差し押さえ可能)
  • 衣類や家具などの生活に必要な物は差し押さえ不可

差し押さえの主なデメリット

差し押さえをされてしまったときの大きなデメリットを3つ紹介します。

デメリット

  1. 差し押さえをされてしまったことが勤務先に分かってしまう
  2. 個人信用情報にキズがついてしまう
  3. 遅延損害金が発生してしまう

裁判で支払いの命令が下っても支払できない時に差し押さえになってしまうんですね。

給与や財産を差し押さえられてしまうとデメリットが非常に大きいから、こういった状況になる前に適切な対応を取ることが大切です。

給与・財産の差し押さえを免れるためには?

給与を差し押さえられてしまうと務めている会社からの信頼を失うことにもつながります。また、家や土地を取られてしまうと生活の基盤が損なわれてしまいます

差し押さえを免れるには、当然支払いを完済すればよいのですが、様々な状況により必ずしもすぐに返済できるとは限らないことでしょう。
そこで、返済が厳しい時でも差し押さえを免れるための対処法について解説します。

裁判訴訟をされないことが重要

最も重要なことは、差し押さえの前段階である裁判訴訟をされないことです。

裁判訴訟で支払いの命令を受けてしまった場合には差し押さえにつながることはもちろんですが、支払い方法や金額の相談などが困難になってしまうためです。
従って、裁判訴訟を起こされる前に手続きを進めることが大前提となります。

特に注意をしたいのが、裁判が起こされるときに通知書が裁判所から届いたときの対応です。裁判が怖いから、あるいは面倒だからという理由で通知を無視し続けると、債権者の言い分をもとに判決が出されてしまうことがあります。
もし借金滞納の事実があったとしても、この時点で弁護士や司法書士に相談して、不利な判決が出ないように努めましょう。

対処法①
時効援用

裁判訴訟の前の場合、時効が援用できるかもしれません。

刑事事件と同様、借りたお金にも時効があります。
時効の期間は、最終の返済日から5年間です。5年の間に裁判訴訟を起こされたり、債務の承認といって返済方法の相談などを行ったりしなければ、借金の返済を帳消しにすることができます。
時効期間が経過したのちに、時効援用通知書を送付すれば手続きが完了します。

この時、弁護士や行政書士などの法律専門家にサポートを依頼することも可能です。

法律専門家といっても法律はジャンルが幅広いので、時効援用を検討している方は時効援用に特化した事務所を選ぶことをおすすめします。

対処法②
債権の任意整理

借金を全額返済するのが困難な場合や一度に返済できない場合などには、元本や利息の減額や分割払いの相談など、無理なく借金を返済できるように任意整理を活用して債権者と相談することも可能です。

任意整理は債権者が応じた場合のみ適用されますが、有利な条件で交渉するためには専門的な法律知識が必要です。例えば、情に訴えるような手段で元本を減らしてもらおうと思っても、要求が通る可能性はほとんどありません。

そこで、任意整理を行う際にも弁護士などの法律専門家に相談するのが効果的です。

対処法③
債権者と和解する

裁判や調停になった時に、判決が出る前に和解をする方法もあります。現実的で無理のない計画を立てるとともに債権者が納得できる返済プランを提示する必要があります。
また、和解後の返済は一度でも滞納してしまうとすぐに一括での返済を要求されますので慎重に検討しなければなりません。

どのような対応を取る場合でも、法律の専門家に相談した方がよさそうですね。

借金の状況や時効期間の経過の有無、給与所得や財産の状況によって取れる対応が異なりますので、早めに相談するのが最も効果的です。

まとめ

給与・資産の差し押さえは、手取りの収入が減額になるだけではなく、勤務先に借金の滞納の事実がバレてしまう遅延損害金がついてしまう、個人信用情報にキズがついてしまうというデメリットがあります。 差し押さえを免れるためにはできるだけ早めの対応が必要です。

裁判訴訟を起こされる前に、時効援用や債権の任意整理などを活用して双方が納得できる返済プランを決めると良いでしょう。 裁判訴訟を起こされた場合でも、和解を目指す道もあります。

そのためのポイントは、できるだけ早めに弁護士や行政書士などの法律事務所に早めに適切な対処方法を相談することです。
スムーズに生活の立て直しができるよう、できるだけ早めの対応を心がけましょう。

差し押さえなどが入ってからでは遅いので今から対処することをおすすめします。事務所によっては手続きに時間がかかるところもあるので、スピーディに手続きしてくれる事務所を探すことも大切です。