日本保証(旧武富士)からの請求にも時効は成立する?概要と対処法

株式会社日本保証とは、商工ローンや個人向けの不動産担保ローンのサービス、武富士のローンの債権回収を行っている企業です。
もし日本保証という名前に聞き覚えのない方でも、以前に武富士で借金をしていた方は日本保証から請求が届く可能性があります。
あるいは、日本保証株式会社の代理人として引田法律事務所から請求書が届くケースもあります。法律事務所から請求が届く場合も基本的な対応は変わりません。
今回は、このような旧武富士の未払い分についての概要と時効援用手続きや過払い金の返還手続き、債券整理などの対応方法について解説します。
目次
武富士の借金ってどうなったの?

かつてテレビCMがよく放送されていた大手消費者金融の武富士は2010年会社更生法の適用を申請し、受理されました。わかりやすく言えば、2010年に倒産したということです。
そこで、「武富士に借りていたお金って結局どうなったの?」と気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、借金が無くなったわけではありません。
武富士の債権は日本保証株式会社に受け継がれています。
武富士とは~倒産の理由は?
武富士は、かつて業界のトップだった消費者金融企業です。テレビCMが数多く流れていたこともあり、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
そして、武富士が倒産したということも大きなニュースになりました。
業界トップの武富士が倒産した最大の理由は、過払い金問題です。
過払い金問題というのは、貸金業者が「グレーゾーン」とも言われる高い金利を設定していたことが表面化した問題です。債務者が支払いすぎていた金利部分についての返還を一斉に求めたので、その変換の負担に耐えきることができず武富士は倒産してしまったということです。
しかし、武富士は倒産していますが武富士の持っていた債権や債務はすべて株式会社日本保証に受け継がれています。
武富士に対して未払いの借金がある方は日本保証からその返済を求められることになります。
日本保証の基本情報
株式会社日本保証の企業情報は以下の通りです。
会社名:株式会社日本保証
住所:〒105‐0001 東京都港区虎ノ門一丁目7番12号 虎ノ門ファーストガーデン10F
電話番号:03-6830-8100
日本保証からの請求の特徴
武富士の債権は日本保証に引き継がれていますので、電話や書面で日本保証から督促の連絡が届くことがあります。また、日本保証の代理人を務める引田法律事務所から同様の督促が届くケースもあります。
どちらの場合でも、そのまま無視してしまった場合には裁判訴訟や差し押さえなどの手続きを取られてしまう可能性があるため、無視を続けることは危険です。

倒産からかなりの年数が経過していても借金が消えるわけではないんですね。

借金にも時効はあるけど、時間が経過したら借金がなくなるわけではありません。
逆にいえば時効援用の手続きを取ることで、借金の督促が来ないようにすることができるかもしれません。
日本保証から借金の督促が来たら・・・

日本保証から督促が届いた時の対応方法について解説します。
日本保証から督促が来たら・・・
日本保証から督促が届いた時に無視をしてしまうと裁判訴訟をされたり、差し押さえをされたりしてしまうリスクがあります。では、適切な対応とはどのような方法でしょうか?
日本保証への支払いについてはまず2つの確認をする必要があります。(会社名が旧武富士から変わっていますが、本来の債権者に対して対応する場合と同様です)。
- ポイント1
- 最終返済日からの経過日数
もし最終の返済から5年以上が経過している場合、借金に時効が成立している可能性があります。
時効が経過している場合、時効援用手続きを取ることで法律上借金の支払い義務をなくすことができます。
時効期間の経過の効力がなくなってしまう時効の中断(裁判訴訟や支払い方法の相談など)に注意して、改めてご自身の状態を確認してください。
また、勘違いされる方が多いのですが、5年が経過したからといって時効が勝手に成立するわけではなく時効であることを主張する必要があります。 (時効援用については、こちらで解説しています)
時効を主張するための手続きを代行で行っているサービスもあるので、確実にお手続きを進めたい方はこういったサービスを活用することもおすすめです。
時効援用を専門とした事務所では、無駄なくスピーディに手続きを進めることができます。
- ポイント2
- 過払い金の金額
もし途中まで滞りなく返済をされていたらなら、借金の残債よりも過払い金の方が多いかもしれません。
この場合、過払い金請求によって払いすぎた金利分を日本保証に請求することができます。過払い金請求にも時効期間があるので注意しましょう(10年間)。
これらの時効援用あるいは過払い金の請求をすることにより、借金を0あるいはプラスにすることができるということです。
日本保証からの督促に対する対応方法の流れ
日本保証からの督促に関する対応方法の流れを解説します。
- 対応①
- 時効援用手続き
もし時効期間が経過している場合には、時効援用手続きをしましょう。
その場合、時効援用通知書を作成して債権者(日本保証)に送付すれば手続きが完了します。こうした手続きは、弁護士、税理士、行政書士などの法律事務所にサポートを依頼して確実に進めることもできます。
時効援用手続きに失敗すると、最悪のケースでは時効が中断して時効期間がリセットされてしまうこともあるので、法律の専門家に依頼することはとてもおすすめです。
- 対応②
- 過払い金の返還請求
時効が成立していない場合、過払い金による返還額と残債を比較して返還額の方が大きい場合は過払い金請求をしましょう。
時効援用に成功した場合でも、過払い金請求が要求できる場合がありますので、時効援用が成功した方も同様に過払い金請求の準備を進めましょう。
これらの手続きは非常に専門的になるため、弁護士事務所もしくは司法書士事務所に依頼してサポートを依頼しましょう。
この時注意したいのは、返還額の方が残債よりも小さい場合、過払い金請求の手続きを進めてしまうと「債権整理」をしたとみなされブラックリストに名簿が掲載されてしまいます。車や家のローン、クレジットカードの契約などの申し込みに支障が生じるので、慎重に対応しましょう。
- 対応③
- 任意整理
時効、過払い金請求のどちらの条件も満たしていない場合、任意整理を行い、利息や債権元本の調整ができないかを債権者に相談しましょう。
法律の知識に基づいて手続きを踏む必要があるため、任意整理に関しても裁判所や司法書士の相談の元に進める必要があります。

過払い金請求も10年以上が経過すると時効が成立してしまうんですね。

そうです。最後の入出金から10年間なので、特に時効が心配な方は早急に確認すると良いでしょう。
まとめ

武富士から借りたお金の債権は、現在株式会社日本保証に移っています。
日本保証という会社名にはなじみがないかもしれませんが、請求書が届いた時には適切な対応が必要です。
この場合、まず考えたいのは時効の援用と過払い請求です。
武富士の倒産からもすでにかなりの年月が経過しているため、気が付かないうちに時効期間が経過していることもあるでしょう。
同時に過払い金請求についても確認しましょう。こちらも最終の入出金から10年という時効期間が定められていますので、時効期間に注意しながら対処しましょう。
いずれも、弁護士や行政書士事務所などのプロの専門家に相談しながら進めると安心ですよ。