時効援用の手続きの流れと費用相場!

時効援用の手続きがどういうものかイメージがわかない方は、手続き費用と流れが把握できれば安心して手続きを進められると思いませんか?
そこで、今回は時効援用の流れ・費用・手続き完了までの期間について紹介します。
「時効援用」というととても難しい手続きが必要になりそうな気がするかもしれませんが、流れ自体はとてもシンプルなのでそれほど難しくありません。時効援用をご自分で行うか、弁護士・司法書士・行政書士にサポートを依頼するかの判断をするにも流れや費用の把握が役に立つでしょう。
目次
時効援用手続きはわずか3つの工程で完結

時効援用手続きの流れについて解説します。
- 工程①
- 時効援用手続き方法の決定(専門家への相談)
時効援用手続きに関しては、弁護士、認定司法書士、行政書士の法律の専門家に依頼する方法と自身で手続きを行う方法があります。
専門家に依頼した場合には、安心して確実に手続きを進められる代わりに費用が掛かってしまいます。
一方、自身で手続きを行う場合には内容証明郵便の送料など必要最小限の経費で時効援用手続きを進めることができますが、知識・ノウハウ不足により時効援用に失敗してしまうこともあります。また、常に「この内容で合っているだろうか?」「結局裁判を起こされて強制的に財産を差し押さえられてしまったりしないだろうか」など不安を感じながらの手続きになってしまうことでしょう。
(時効援用の失敗に関してはこちらで解説しています)
メリットやデメリット、経済状況などを踏まえながら、ご自身に合った手続き方法をまずは選択しましょう。弁護士事務所・司法書士事務所・法律事務所では無料相談を設けている事務所も多いので、相談をしてから検討してみるのも良いでしょう。時効援用を依頼する場合には、ここで依頼報酬を支払います。
(弁護士・司法書士・行政書士の時効援用手続きサポート業務の違いについてはこちらで解説しています)
- 工程②
- 時効援用成立の確認
続いて、時効期間が成立しているか否かの確認を行います。時効は、その名前の通り一定期間が経過しないと主張できないため、条件を満たしているか否かの判断が非常に重要です。
条件を満たしていない場合は、時効の援用に失敗してしまいます。(時効援用の失敗についてはこちらで詳しく解説しています)。
時効期間は5年もしくは10年で、借金の相手や内容によって期間が異なります。
例えば消費者金融やクレジット会社からの借金の場合、時効期間は最終の支払いから5年です。ただし、5年経過していても途中で相手方から裁判訴訟を起こされた場合、強制執行をされた場合、借金の返し方について相談をした場合などは時効期間がリセットされます。これを時効の中断といいます。(時効の中断についての詳細はこちら
要は、時効期間(5年or10年)が経過していること、時効の中断が起こっていないことを確認する必要があるということです。
弁護士事務所、行政書士事務所に依頼する場合には確認手続きを依頼できるので、時効援用を検討している会社の請求書などの資料を準備しましょう。CICなど信用情報機関の情報で大方のチェックができるケースもありますので、書類が見当たらない場合などは率直にその旨を相談されると良いでしょう。
ご自身で時効援用手続きを進められる場合や行政書士事務所に依頼される場合には、時効期間や時効中断の状況についての確認をご自身で行う必要があります。
- 工程③
- 時効援用通知書の作成・送付→手続き完了
時効援用ができることが確認できたら、通知書を作成し送付します。
ご自身で手続きを進める場合には、こちらで書き方についてテンプレート付きで解説していますので参考にしてください。
書類を作成したら、債権者に送付します。相手が受け取ったことが確認できる内容証明郵便にて送付しましょう。送付方法についてはこちらにて掲載しています。
また、弁護士・認定司法書士・行政書士に依頼する場合には書類の作成・送付は任せられますので安心です(弁護士・司法書士は代理人として事務所の名義で、行政書士は書類の代筆で書類を作成してもらうことができます)。

自分で手続きをするか専門家に依頼をするかを決めたら、時効ができるかどうかを確認して書類を送ればいいんですね?

もし大きな書類に重大な不備があったり、時効が成立していないのに援用通知書を送ったりしてしまうと時効期間が振出しに戻ってしまうこともあるから、慎重に手続きを進めることが重要です。
書類の不備や失敗などの事例も多く見られますのでご自身でお手続きされる場合はきちんと調べることが大切です。不安な方は時効援用の手続きを代行でやってくれるサービスもあるのでチェックしてみてください。
時効援用にかかる費用相場!

時効を援用すれば法律上借金の支払い義務がなくなりますが、その際にどのくらいの費用が掛かるのでしょうか?
時効援用の際にかかる費用について解説します。
- 費用①
- 弁護士・司法書士・行政書士への依頼料
時効援用にかかる費用の大半は、弁護士・司法書士・行政書士への依頼料です。
費用の相場を比較すると安い順に行政書士、司法書士、弁護士となります。
それぞれの相場は、おおよそ以下の通りです。
時効援用の費用
- 行政書士…1社あたり10,000~25,000円程度
- 司法書士…1社あたり30,000円~
- 弁護士…1社あたり40,000円~
ただし、料金の確認方法について3点注意点があります。
- 注意点①
-
上記金額の他に追加料金が発生する場合があります。(債権者との交渉や裁判になった場合に代理人として出廷してもらうための費用、成功報酬など)
見積もりを依頼する際には、これらの追加費用の有無も含めて確認しましょう。 - 注意点②
-
「1社あたり〇〇円」という料金体系が取られていることが多いことを理解しておきましょう。複数の貸金業者から借り入れのあるかたは、業者の数だけ費用がかかります。
- 注意点③
-
依頼料は時効援用に成功しなかった場合でもかかるのが一般的です。費用を支払ったからと言って必ず結果が保証されるわけではないことに注意しましょう。
- 費用②
- 書類を郵送する際にかかる送料
時効援用通知書の作成・郵送費用がかかります。
時効援用通知書の作成は、PCで用紙を印刷するか書面に手書きで記載をすれば手続きできるので、かかる費用は用紙代と印刷費用です。
書類の送付は、相手方が書類を受け取ったことを確認するために内容証明郵便で送付するのが望ましいのですが、通常の郵便よりも割増料金がかかります。
内容証明郵便の送料
=普通郵便の基本料金+430円(2枚目以降は1枚につき260円ずつ追加)
自分で手続きを進める場合はもちろんのことですが、弁護士・認定司法書士・行政書士に時効援用のサポートを依頼する場合でも書類の送料は別料金となっているケースが多いです。

時効援用を依頼する際には、どこの事務所に依頼するかによって費用が異なるんですね?

だからこそ、費用が安くて安心してお任せできる事務所を探すのが重要です。
時効援用を完結するまでにどのくらいの期間がかかるの?

時効援用にはどのくらいの期間がかかるかご存知でしょうか?
時効期間が経過していても正式に完了するまではやきもきして落ち着かないものですし、不安にもなりますよね。
期間に関しては実はケースバイケースなので、1か月以内に完了することもあれば3か月程度かかってしまうこともあります。
大切なことは、時効援用手続きが完了するまでに時効を中断させてしまわないことです。
時効期間成立後でも借金の一部を支払ったり、債務の承認にあたる行動をしたりしてしまうと時効期間が振出しに戻ってしまいます。特に債権者(借金の相手方)から直接連絡があった場合には注意しましょう。

どうして時効援用の手続きが完了するまでの期間にバラツキがあるんですか?

基本的には、債権者側での確認手続きのためにかかる時間だと考えてください。債権者側も、時効援用が本当に成立しているかどうかをはじめとした時効援用の確認作業や手続きが必要ですからね。
まとめ

時効援用の手続きの流れ・費用・期間について紹介しました。
期間についてはケースバイケースになってしまいますが、不備なく書類を作成して郵送したら後は先方の判断を落ち着いて待つことが重要です。債務の承認にあたる行動をしないように慎重に対応するように心がけてください。
また、弁護士事務所や行政書士事務所に依頼する際に費用に関して心配な方は、追加料金のかからない安心の料金体系を取っている事務所への相談がおすすめです。
時効援用の手続きを確実に進めて生活の立て直しを図れるよう、一つひとつ確認しながら迅速に手続きを進めていくことが重要ですよ。
放置していても借金はなくなりませんのでお早目にお手続きすることをおすすめします。