2019.06.26更新

時効援用の条件とは?期間の経過と時効援用通知

時効援用の条件は2点あります。時効の期間を経過していることと、時効援用の通知をすることです。
これらが2つとも満たされて初めて、借金や未払いの支払いを法律上で帳消しにすることができる、ということになります。ですので、条件の把握は非常に重要です。

2つだけなので条件については簡単そうに思えるかもしれませんが、特に時効期間については、期間や起算日の確認、時効の中断の有無の確認を慎重に対応しないと時効援用に失敗してしまうこともあります。

今回は、時効期間を中心に時効援用の条件について解説しています。

時効援用には条件がある

時効援用とは、借金や未払いの支払いについて時効であることを理由に「支払いません」という意思表示をすることです。
時効援用が認められれば、借金や未払いの支払いを帳消しにすることができますが、誰でも無条件に時効の援用をできるわけではありません。逆に、誰もがいつでも時効援用できるようなら、お金を貸してくれる人は一人もいなくなってしまいますよね?

では、時効援用のために満たさなければならない条件とはどのようなものでしょうか?

時効援用の条件

  1. 時効期間が経過していること
  2. 時効援用の通知をすること

これらをきちんと満たして初めて時効援用による借金の帳消しが可能になります。

条件というから、収入審査とか申込可能な定員数とかがあるのかと思いました。

時効援用は法律で定められている制度なので、対象者なら全員もれなく時効援用できますよ。ただし、だからと言って油断は禁物。時効期間や時効援用通知方法について正しく理解しておかないと、失敗してしまうこともありますよ。

・・・ではそうならないように、きちんと勉強します。

では、まず時効の期間から解説しましょう。

時効援用の条件①期間について

時効援用の期間は、実は少し複雑です。
丁寧に解説しますので、一つひとつゆっくり確認してください。

期間は5年or10年(借金の場合は5年が多い)

民法第167条

1.債権は、十年間行使しないときは、消滅する

商法第522条

商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する

時効は刑事ドラマなどでもおなじみですが、一定の期間が経過したときに権利を取得できたり、反対に権利が消滅したりすることです。
借金の場合には、お金を貸している人の借金を回収する権利がなくなる、ということになります。

現在、時効期間に関しては10年と5年の2つの期間が規定されています。
結果から言えば、借金の場合はほとんど5年の時効期間が適用になります。

10年か5年かの違いは、貸主が営利目的か否かがポイントです。
具体例で紹介します。

10年
  • 信用金庫や農協から借り入れ
  • 知人や友人からの個人的な借金
  • 奨学金の返還
  • 住宅金融支援機構の住宅ローン
5年
  • 銀行や消費者金融、カードローンからの借り入れ
  • 携帯電話料金の引き落とし
  • 商品購入代金の未払いなど

※時効の改正
2020年4月1日からは時効に関する規定が改訂されます。民法の内容が変更し、商法は廃止されます。
具体的には以下のようになります。

第166 1.債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から
  五年間行使しないとき

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき

内容が少しややこしいと思いますが、借金の相手方に関わらず5年で時効が成立するケースが大半になります。

時効の起算日は直近の返済日or3パターン

では、時効はいつから数えて5年(もしくは10年)なのでしょうか?

最初に確認したいのは直近の返済日です。一部でも支払いをしている場合、直近の支払日の翌日が起算日になります。
一度も支払いをしていない場合には、借金の種類によって3パターンに分かれます。

  1. 借金の返済期日が決まっている・・・返済期日の翌日が1日目
  2. 借金の返済期日が決まっていない・・・借り入れをした日が1日目
  3. 不確定期限付債務・・・条件を満たした翌日が1日目
    →不確定期限付債務とは、「遺産を相続したら借金を返済します」という内容の借金です。このケースでは遺産を相続した翌日が起算日1日目となります。

時効の中断

時効援用の期間に関して、最も注意したいのは時効の中断です。
5年(もしくは10年)が経過しても、途中に時効の中断が発生していた場合には時効が成立しないことがあります。
時効の中断とは、時効の進行がいったんストップし、また0から時効がスタートすることです。

時効の中断

  1. 債権者から債務者への裁判上の請求(支払いを求める裁判や財産の差し押さえなど)
  2. 債務者の債権の承認(一部代金の支払い、返済方法の相談など)

例えば、支払いの督促の電話が債権者からかかってきたときに「少し待ってください」と伝えるケースも時効の中断にあたる場合があるので、細心の注意が必要です。逆にいえば、時効を中断させようとして債権者から電話がかかってくることも予想されます。

時効が成立しているかどうかを知るには、時効の期間、起算日、中断の有無を調べることが重要なんですね?

特に時効の中断は裁判所から自宅に通知が届いていたのをつい忘れてしまっているような事例もあるので、注意が必要です。

もし、時効期間が経過していたら次はどうすればいいの?

時効期間が経過しているときは時効援用通知をします。その意味について次の章で解説します。

時効援用の条件②時効援用通知の作成と送付について

時効援用し、借金を帳消しにするには時効援用通知を作成して債権者に送付する必要があります。
逆にいえば、通知が相手方に届いて正式に受理されるまでは、時効援用は成立していません。

時効援用は通知書を作成・送付して初めて成立する

時効期間が過ぎたからといって、時効援用通知書を作成して送付しないかぎりは時効成立しません。債権者から引き続き請求書や督促状が届くこともあるでしょう。

時効援用通知書の作成方法についてはこちらで詳しく紹介しています。

ご自身で手続きをして失敗するケースも多く見られますので 、不安な方は時効援用サポートを検討することをおすすめします。

時効期間経過後でも支払いをした場合は時効期間が振り出しに

時効期間が経過していると、時効の立場が安泰のように思えるかもしれませんが、一部支払いをしたり、債権者と返済方法についての相談をしたりした場合には時効期間が中断してしまいます。

つまり、一度は成立した時効がリセットされ、また支払い(あるいは相談)をした翌日から新たに時効期間が起算されることになります。

従って、時効援用通知が正しく受理されるまでは、債権者から何度も督促の書面や電話が届くことがありますが、時効援用を希望する方は支払いや債務の承認をしてしまわないように細心の注意を払う必要があります。

時効援用にかかる時間とは

時効援用が成立するまでにどの程度の期間を要するかご存知でしょうか?

借金の内容などによってその期間は異なりますが、おおむね数週間~3か月程度です。
少しでもスムーズに手続きを進めるには、必要な情報を漏れなく確認して、不備なく書類をそろえることが重要です。

まとめ

借金を帳消しにできる時効援用が成立するには、期間の経過と時効援用の通知という2つの条件を満たす必要があります。

特に期間の経過には、時効の内容が5年か10年のどちらにあたるのか、時効の起算日はいつか、時効の中断事由が発生していないかを確認する必要があります。
さらに、時効期間を経過したうえで、時効援用通知書を作成・送付して手続きが完了します。

借金の悩みの解決のために、ぜひこの記事の時効援用の条件を参考にしてください。

時効援用通知書に不備があったり、よく調べずに送付すると逆に状況が悪化してしまうケースもありますので、知識に不安がある方は時効援用を専門としたサービスを活用することをおすすめします。無料で相談もできますのでチェックしてみてください。