2019.06.19更新

時効援用で失敗するケース 4パターン解説!失敗のリスクとは

時効援用は必ず成功するわけではありません。
時効援用で失敗するケースには、時効の中断に気が付かなかったケース、時効の起算日を間違ってしまったケース、債務名義が取得されてしまったケース、書類の不備や郵送先を間違えてしまったケースなどがあります。

法律上の制度なので、条件を満たしていて正しく援用すれば100%成立しますが、ほとんどの方にとっては慣れない作業だと思いますし、時効援用に失敗してしまった時には時効期間の中断(リセット)を始めデメリットが小さくありません。

今回は、時効援用に失敗してしまった時のデメリットを紹介したうえで、失敗するパターンを4つ紹介します。
紹介する内容に注意しながら失敗のないように一つひとつ確認していただければ、時効援用による借金帳消しに近づくことと思います。

時効援用に失敗するとどうなる?

「時効の援用」は耳慣れない言葉だと思いますが、もしかすると時効の援用が借金から身を守ってくれるかもしれません。
時効の援用とは何かについて解説します。

再び債権者からの督促が激しくなる

時効期間が成立していないにも関わらず、時効を援用しようとすると、債権者からの請求・督促が激しくなってしまうことがあります。

例えば、時効援用をするまで債権者が借金の存在を忘れていたり、債務者の住所・連絡先が分からずに請求がかけられなくなっていたりした場合に、時効援用をきっかけに督促が再開してしまうケースです。

時効の期間が中断されてしまう

さらに望ましくない状況として、時効期間が中断されてしまうこともあります。
中断とはいっても意味合いとしては、「リセット」となり、時効成立まで新たに5年or10年時効が追加で課されることになります。
時効の中断についてはこちらで詳しく解説しています。

市役所の手続きなどと違って、失敗すれば書き直せばいい・・・っていうわけでもないんですね?

そう。正しく手続きをすれば時効が認められる場合でも、手続きに失敗してしまうと振り出しに戻ってしまうんだ。

時効援用に失敗しないためには、どうすればよいのでしょうか?

失敗にはいくつかパターンがあるから、そのパターンを解説しましょう。
その失敗パターンと同じような行動をしないように気を付ければ、大失敗は避けられると思うよ。

時効援用に失敗するパターン

時効援用に失敗するパターンについて紹介します。

時効の中断に気が付かなかったケース

一点目は気が付かないうちに時効が中断していたパターンです。
具体的には次のようなケースです。

時効が中断していたパターン

数年前に裁判所から支払い督促が届いていた場合

自宅住所に裁判所から支払い督促が届いていると、時効期間が10年延長してしまいます。

書類をそのまま破棄してしまったり、家族が受け取ってしまっていたりして、督促状を忘れてしまっていることがあります。

途中に一部の料金を支払ったり、
債務の承認をしてしまっていたりした場合

特に注意したいのは債務の承認です。書面だけではなく電話でのやり取りも証拠になってしまいます。

例えば、債権者から「支払いはまだですか?」と質問されて「少し待って下さい」と答えたようなやり取りでも、借金の存在を認める債務の承認にあたります

債権者は、電話のやり取りを録音しているケースもあるので、このようなやり取りの心当たりがないか確認しておきましょう。

時効の起算日を間違ってしまったケース

時効が成立する期間は5年(もしくは10年)です。
このとき、起算日がいつだったか、ということがとても重要です。
借金の時効の起算日は次のように決まっています。

借金の時効の起算日

債権者が債権の請求をしたとき
  • 時効の返済期日が決まっている・・・返済期日の翌日が1日目
  • 時効の返済期日が決まっていない・・・借り入れをした日が1日目
  • 不確定期限付債務・・・条件を満たした翌日が1日目
    • → 例えば、「保険が下りたら」「退職金が入ったら」「遺産を相続したら」といった日程の不確実な条件を定めて借金をした場合は、その要件を満たした翌日が一日目です。

ただし、途中一部でも返済をすると返済の翌日が起算日になりますので、注意が必要です。
また、時効期間が経過した後の場合でも一部支払いをすると時効期間は振出しに戻ります。

債務名義が取得されていたケース

高額の借金の場合では、債権者から債務名義を取得されてしまうことがあります。

債務名義が取得されると、強制的に財産を差し押さえられる可能性があります。
さらに差し押さえをされた場合、時効期間が10年間延長してしまいます。

債務名義が取得された場合、もしくは取得される危険性が高い場合には、自己破産や債権整理を一刻も早く弁護士事務所などに相談しましょう

書類の不備や郵送先を間違えたケース

時効援用通知書は必要事項を正確に記載し、確実に債務者に届ける必要があります

必要事項が書かれていなくて無効になってしまったり、送付先を間違えて、送ったつもりが相手に届いていなかったりしてしまった場合、書類の再提出が必要になります。
最悪の場合、手続き中に誤って債務を認めてしまい時効期間が中断してしまうケースも。

時効援用通知書の作成はほとんどの方にとって初めての経験だと思いますので不安が大きいとは思いますが、最後のツメは非常に重要ですので慎重に対応しましょう。
自信のない方は、行政書士事務所や弁護士事務所が書類の作成・送付を代行してくれるサービスもあります。

時効援用の失敗にはさまざまなパターンがあるんですね。

そうなんです。
だから、一つひとつ慎重に確認しないと、逆に不利益になってしまうこともあるんだ。

書類の作成などの慣れない作業は、専門家のサービスを利用すれば安心ですね。

まとめ

時効援用に失敗するケースでのデメリットは非常に大きなものです。
状況によっては、裁判を起こされてしまったり、強制的に財産を差し押さえられてしまったり することも起こりえます。

従って、時効援用は慎重かつ速やかに行わなければなりません。
時効援用に失敗するパターンを4つ紹介し、解説していますので同じような失敗をしないようにぜひ参考にしてください。

時効援用通知書の作成や郵送が不安な方は、専門家のサービスがおすすめです。