2019.06.19更新

時効援用とは何か?借金を帳消しにすることが可能?

時効の援用とは、「時効によって無効になったので借金を支払わない」という意思表示をすることです。
もし、今現在借金の請求・督促にお悩みで返済できなくてお困りの場合でも、条件を満たしていれば時効援用をして借金が合法的に帳消しにすることができます。

今回は、時効援用とは何か?についてわかりやすく解説を加えるとともに、どのように手続きを進めればよいのかについて解説します。さらに、時効援用をサポートするサービスについても紹介しています。

時効援用に成功すれば、借金から解放されて再スタートを切ることができます。

時効の援用とは何か?

「時効の援用」は耳慣れない言葉だと思いますが、もしかすると時効の援用が借金から身を守ってくれるかもしれません。
時効の援用とは何かについて解説します。

時効の援用とは借金を支払わない意思表示をすること

時効の援用とは、「時効によって無効になったので借金を支払わない」という意思表示をすることです。
時効が認められれば、債権者から借金を催促されることもありませんし、財産を差し押さえられることもありません

借金の他にも、商品を購入したりサービスを受けたりした際の代金の未払い分についても、時効の援用ができる場合があります。

つまり時効の援用とは、お金を借りたり商品を買ったりしてから一定の期間が過ぎた時に、時効を理由に借金や代金の支払いを0にできる、という制度です。

語句注:
援用・・・ある事実を自己の利益のために主張すること

時効が成立すると借金が0になる!?

そんなうまい話があるの?
とビックリされたかもしれませんが、民法と商法に次のように規定されています。

(民法)第167条
  • 債権は、十年間行使しないときは、消滅する
  • 債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する
(商法)第522条

商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、五年間行使しないときは、時効によって消滅する

債権とは、相手方に特定の行為をさせる権利のことを言います。

例えば借金の場合は、貸主(銀行やカードローン会社など)がお金を返してもらう権利のことです。
商品購入代金の未払い金がある場合には、売り主(お店など)がお金を支払ってもらう権利、ということになります。

この債権が「時効によって消滅する」ということなので、時効が成立すれば無くなる、ということになります。
お金を借りた側、商品を買った側から見れば、借金や代金の支払いが0になるということになります。

語句注:
債権・・・相手方に特定の行為をさせる権利
債務・・・相手方に特定の行為をする義務

時効が設けられている根拠

金の貸し借りや商品代金の支払いに時効があるという事実をご存知なかった方も多いのではないでしょうか?
いったいなぜ、時効が設けられていると思いますか?
特に借金に困っている方にとってはとてもありがたい法律ですが、課しているお金を請求できなくて、借りたお金を返さなくてもよい、というのはなんだかやはり矛盾しているようにも思えますよね。

その根拠として大きいのは、「法の上に眠る者を保護しない」という考えです。
借金の例でいえば、債権者(貸主)は返済を求めて裁判を起こしたり強制的に差し押さえをしたりできる立場にあったにもかかわらず、長期間にわたってその権利を使わなかったから、法的な保護には値しない、ということです。

そして、長く続いている事実状態(借金の例では、お金を借り続けている状態)を尊重する(法律を事実に合わせる)ということも大きなポイントです。

少しややこしい内容ですが、要は貸主がお金を回収するためには、それ相応のアクションを起こさないと法律が守ってくれない、ということになっています。

時効が成立する期間とは?

上述の通り、民法では10年、商法では5年が経過すると債権が消滅する、と規定されています。
民法と商法のどちらが適用されるかの違いを分かりやすく言えば、営利目的かそうでないかの違いになります。

つまり、友人からお金を借りた場合には営利目的とは判断されないため、民法の10年、銀行や消費者金融からお金を借りた場合には商法の5年が適用されるということになります。少しややこしいのは、農協や信用金庫からお金を借りている場合や住宅金融支援機構の住宅ローンなどは営利目的とはみなされないため、民法の10年が適用されます。

→民法の時効の期間については、2020年4月から改正されます。
(改正後の時効の期間についてはこちらで詳しく紹介しています)

借金や代金の支払いに時効があるなんて知らなかったです。

時効の援用は法律の条文に載っているけど、知らないまま借金に首が回らなくて悩んでいる方も大勢いるんです。

5年か10年過ぎれば、借金からは解放されるってことなんですか?

いえ。そうとも言い切れません。
では、時効が成立するためにはどうすべきかを解説しましょう。

時効援用によって借金(支払い)を消滅させるには?

お金に関する時効は5年ないし10年経過したからといって自動的に適用されるわけではありません。
時効が成立するためには正しい方法で確認と時効援用の手続きを行わなければなりません。時効援用を成立させるための方法について紹介します。

時効の成立を確認

まず、時効援用の要件を満たしているか否かを確認する必要があります。
ポイントは2点です。

時効援用の要件

  1. 最後の支払い(あるいは請求書の支払期日)から5年or10年が経過しているか否か
  2. 時効の中断が発生していないか

※時効の中断とは、債権者から債務者に対する裁判訴訟や財産の差し押さえ、債務者から債権者への請求額の一部支払い、支払い方法の相談などによって、時効期間がリセットされてしまうことです。時効の中断についてはこちらで詳しく解説しています。

以上2点を確認し、時効が成立していることを確認したら時効援用の手続きを進めることができます。
(時効の要件を満たしていない状態で時効援用を申し出てしまうと、時効の中断を招いてしまうことがありますので慎重に確認しましょう)

時効援用通知書を書く

時効を援用するために、時効援用通知書を記入します。
決まった書式があるわけではないのですが、必要事項の不備があれば時効援用が成立しない場合があります。

必要記載事項は以下の通りです。

  • ご自身の名前(捺印)と債権者の名前(会社名・代表者)
  • 書類の記載日
  • 時効が完成している旨
  • 時効援用の意思表示
  • 残元金、最後に支払いをした日、契約番号などの詳細情報(もし分かれば)

時効援用通知書を内容証明付きで郵便で送付する

時効援用通知書を作成したら、配達証明付き内容証明郵便で送付しましょう。

配達証明付きでなければならないわけではありませんが、万が一宛先が間違っていて届かなかったり、先方から「受け取っていない」といわれてしまったりしないために、確実に到着したことを把握しておくことが重要です。

時効援用手続きを確実に処理するなら専門家を利用しましょう。

少しややこしくて手間のかかる時効援用の手続きを法律の専門家にお任せできるサービスがあります。

サービスを利用したい方は、金融機関などの請求書もしくは信用情報機関(JICCやCICなど)の明細書を用意するだけでOKです。

あとは、ご依頼の内容に基づいて時効援用通知書の作成から郵送までを専門家が責任をもって行います。
最短1日で内容証明の発行が可能で、条件を満たしていれば1~3か月で借金や未払い代金の請求が帳消しにできます

↓借金の時効に関する無料相談はこちらから↓

テンプレートを使っても、ちょっと言葉がややこしくて、時効援用の書類を作る自信がないです・・・

法律の専門家のサポートを使って手続きを進められたら、トラブルのリスクを大きく減らせますね。

まとめ

時効の援用について、言葉を聞いたことさえなかった方も少なくないと思います。
しかし、時効援用とは何かを知り、どのように手続きするかを知っておけば、借金が返せなくて困ってしまった時に借金を帳消しにできる可能性があります

時効の成立期間、裁判や差し押さえ、借金の承認による時効の中断などに注意しながら、要件を満たしているか否かチェックしましょう。
書類の作成を始めとした手続き全般は、行政書士事務所が行っている時効援用手続き代行サービスを利用いただくとスムーズです。